粉体造形試作(粉末焼結積層造形)
粉体造形(粉体焼結積層造形)とは、レーザー光線で一層ごとに焼結(溶解・固化)させ、粉末の樹脂を積み重ねて立体物を作成する方法です。3Dデータを元に作成するため、複雑な形状を再現することが可能です。
0.15mm厚に敷き詰めた樹脂パウダーにレーザー光線を照射して溶解・固化させ、3Dデータの形状が完成するまでその作業を繰り返していきます。立体物はパウダーの中で保持されるため、型やサポートは一切必要とせずに複雑な形状を再現することができます。
粉体造形のメリット
粉体造形の大きな特徴として挙げられるのが、「1個からの作成が可能」「短納期での対応が可能」という点です。材質は白色のファインナイロン(polyamide12):PA2200 が一般的ですが、他にもヒンジ部品に適したPPライク、強度の高いナイロンガラス入り、耐熱性の高いカーボン粉体などをご用意しています。
以下に代表的なメリットについてまとめました。
- CADデータを忠実に、立体モデル化することができます。
- 1個だけでも、微量・少量の量産でも可能です。
- 最短納期は3日〜と、短納期で作成できます。
- 耐熱性に優れた製品が作成できます。(約100度まで)
- 部品を組み上げた状態での作成や、可動モデルも作成できます。
- 組み付け部品やヒンジなど、強度が必要な製品にも使えます。
粉体造形のデメリット
- 作製個数にもよりますが、単価は少々高くなります。
- 塗装は可能ですが、密着性は劣ります。
- メッキ処理はできません。
- レーザー光線・積層ピッチの仕様上、1mm未満の寸法では精度にばらつきが発生します。
- 製品に近い強度を出せますが、積層方向に対しては強度が劣ります。
- 一層ごとに焼結させるため、積層ラインの仕上げ加工が必要です。